レッド 「…スロットで全財産すった」
- 2020.03.11
- SS
レッド「シロガネ山から下りてきて、すぐにゲームコーナーに来たけど」
レッド「このままではのたれ死んでしまう…」
レッド「実家に帰るという手もあるけど、元チャンピオンの所持金が0だなんて恥ずかしすぎる」
レッド「やっぱり、手っ取り早く稼ぐならトレーナーとのバトルが一番だよな」
レッド「一番近いジムはタマムシジム、か…」
レッド「たのもー」
エリカ「…この声は?」
エリカ「まぁ、レッド様! お久しぶりでございます」
レッド「や、やぁ。エリカ」
エリカ「今まで、一体どちらにおられたのですか?」
レッド「そ、その、修行でシロガネ山の山頂に居たんだ」
エリカ「まぁ、シロガネ山に…。どうりでご連絡が取れないわけですわ」
レッド「へっ? 連絡?」
エリカ「ええ、何度もポケギアで」
レッド(…そういえば、圏外だから放置してて、電池が切れてから充電してなかったな)
レッド「そ、そうだったんだ。ごめんね、気付かなくて」
エリカ「いえ、こうしてお会いすることができましたので…」ポロポロ
レッド「わっ、ど、どうしたのエリカっ!?」オロオロ
レッド「ほんとにごめん、エリカ」
エリカ「い、いえ、わたくしこそ急に泣いたりして、すみません」
エリカ「…それで、今日はどういったご用件でしょうか?」
レッド「あぁ、えーと、それは…」
レッド(…とても金儲けの為にジム戦をしに来たとは言えない)
レッド「そ、そのフシギバナの調子が悪いみたいで…」アセアセ
エリカ「まぁ、フシギバナが?」
レッド「ほら、シロガネ山って日当たりがわるいだろ?」
レッド「だから、下山してのんびりさせようと思ってさ」
レッド「草タイプのフシギバナなら、エリカのところに行くのがベストかなって考えて…」
エリカ「…」
エリカ「草タイプで思い出されたのですね…」ズゥーン
レッド(げっ!? まずい!)
レッド「もちろん! 俺もエリカに会いたかったんだけどね!」アセアセ
エリカ「嬉しいですわ、レッド様がわざわざわたくしに会うために帰って来てくださったなんて」
レッド(俺の中の良心よ、耐えてくれ…)
エリカ「それでは、立ち話もなんですから、是非上がっていってください」ニコリ
レッド「ありがとう、エリカ。じゃあ、お邪魔しようかな」
レッド(何て広い屋敷なんだ…、落ち着かない)モジモジ
エリカ「レッド様、お飲み物はいかが致しましょうか?」
レッド「そうだな、せっかくだしエリカの淹れてくれたお茶が飲みたいな」
エリカ「分かりました。少々お待ちくださいね」
レッド(ふぅ、とっさに良い感じのウソが思いついてよかった)
レッド(フシギバナ、あとは頼むぞ…)ギュ
エリカ「お持たせ致しま、…モンスターボールを握りしめてどうされたのですか、レッド様?」
レッド「えっ!? エリカ、早かったね!?」
エリカ「ふふっ、お茶を淹れるのは慣れたものですわ」
レッド「そ、そっか。いや、早くフシギバナを出してあげたいなって思ってさ!」アセアセ
エリカ「そうですか。それでは、お庭の方に参りましょう」
レッド(ホントのホントに頼むぞ! フシギバナ!)
レッド「出てこい! フシギバナ!!」ボンッ
フシギバナ(任しとけ、マスター!)
フシギバナ「バナァ…」グッタリ
レッド(フシギバナ。お前ってやつは、最高のポケモンだぜ!)
エリカ「あらあら、本当に元気が無いようですね」
レッド「そうなんだ。でもポケモンセンターで診てもらったけど、特に異常は無いらしくて」
エリカ「そうなんですか。それでは、しばらく広い場所で自由にしていただきましょうか?」
レッド「そうだね。せっかくだし他のみんなも出してあげていいかな?」
エリカ「もちろんですわ。わたくしも皆さんにお会いしたいです」
レッド「ありがとう、エリカ。よーし、みんな出て来い!」ボボボボボンッ
レッド(みんな! フシギバナを全力でカバーだっ!!)
手持ち一同(任しとけ、マスター!)
エリカ「皆さん、お久しぶりですわ。こんなに立派になられて…」
エリカ「レッド様が、大事に育てられたのですね」ナデナデ
エリカ「それでは、後はみなさんにお任せして、わたくし達は中に入りましょう」
レッド「そうだね。あっ、リザードン。ここは植物が多いから、あんまり炎を出すんじゃないぞ」
リザードン「グォォ!!」
レッド「よし! じゃあ、フシギバナのこと頼んだぞ」
エリカ「あら、お茶が冷めてしまいましたね」
エリカ「淹れなおしてきますわ」
レッド「ごめんね、ありがとう。エリカ」
エリカ「いえいえ。くつろいでくださいね」
レッド「ふぅ…、とりあえずは何とかなったかな」
レッド「でも、このままじゃのたれ死ぬことに変わりは無い」
レッド「これからどうしようかな?」
エリカ「きゃああぁぁ!!」
レッド「…!? エリカの声? 庭からだ!」ダッ
エリカ「に、庭が…」ヘナヘナ
レッド「なっ!? むっちゃ燃えてる!」
レッド「カメックス! ハイドロポンプだ!!」
カメックス「カメー!!」プシュー
レッド「一体どうして、こんなことに」
エリカ「あぁ、大事なお花が…」ガクッ
リザードン「グォォ…」シュン
レッド「リザードン…。もしかして、お前なのか?」
リザードン「…グォォ」コクリ
レッド「久しぶりに下山して嬉しいのは分かるけど…」
レッド「どうするんだよ、これ…」アセアセ
レッド「え、エリカ。ごめん」
レッド「庭を燃やしちゃったの俺のリザードンみたいなんだ…」
エリカ「えっ?」
エリカ「そ、そうでしたか。でも、火はすぐに消えましたし大したことはありませんわ」
レッド(うわぁ…、完全に気を遣われている。このままじゃマズイ)
レッド「ホントにごめんよ」
エリカ「いえいえ、お気になさらずに」
エリカ「ポケモン達が無事でよかったですわ」
レッド「…ごめん、エリカ。俺、ウソをついてたんだ」
エリカ「ウソ…?どういうことですか、レッド様?」
レッド「その…、かくかくしかじかということで」アセアセ
エリカ「ウソということですね?」
レッド「…はい」
レッド(正座なんて久しぶりすぎる…)
エリカ「全く、元チャンピオンともあろうお方が、ゲームコーナーのスロットにはまるなんて」
エリカ「呆れてモノも言えませんわ!」プンプン
エリカ「…お金が必要なら言ってくださればいいのに」ブツブツ
レッド「へっ…?」
エリカ「なっ、何でもありません…!」
エリカ「とにかく! レッド様にはお仕置きとして、しばらくジムで働いていただくことにします!」
レッド「ジムで働くって、一体何をして働くの?」
エリカ「特別なことは何もありませんわ」
エリカ「ジムのトレーナーとして挑戦者の方と戦っていただきます」
レッド「いや、俺元チャンピオンなんだけど…?」
エリカ「それがいやだというのなら、リザードンが燃やしたお花の弁償でよろしいですわよ?」
エリカ「今のレッド様に払えるならですが?」クスクス
レッド(うぅ、エリカがいじわるだ…)
レッド(そうは言っても身から出た錆だし)
レッド「分かったよ、エリカ。ジムトレーナーとして働くよ」
エリカ「はい!」パァァ
エリカ「それでは明日からよろしくお願いいたしますね」ニコリ
レッド(シロガネ山じゃあ、女の子に会うなんてこと有り得なかったから)
レッド(考えたら意識しちゃうなぁ)
レッド「うん、よろしくね」カァァ
エリカ「それとレッド様。原則としてタマムシジムでは草タイプのポケモン以外を使ってはいけません」
エリカ「あとレッド様が分からないことがあってはいけませんので、場所はわたくしの直前でお願いいたします」
レッド「分かったよ。エリカ」
レッド(草タイプだと、フシギバナしか持ってないけど…。まぁ何とかなるか)
エリカ「それでは、参りましょう」
レッド「参る…? ってどこに?」
エリカ「レッド様は、文無しなのですからポケモンセンターにも泊まれないでしょう?」
エリカ「今日からは屋敷で寝泊まりをされてくださって結構ですわ」
エリカ「それとも、野宿されますか…?」クスッ
レッド「いえ、ありがたくご一緒させて頂きます!」
レッド(はぁ、チャンピオンからジムトレーナーに降格かぁ)
エリカ(ふふっ、今日からレッド様と夢の同棲生活ですわ)ルンルン
エリカ「レッド様ー。早く来ないとおいて行きますわよ」
レッド「あ、はーい」
エリカ「レッド様はこちらの客間をお使いください」
レッド「ずいぶん広いね」
エリカ「ご自分の家と思ってくださって結構ですから」
レッド「ありがとう、エリカ。全部俺が悪いのに、こんなにお世話になっちゃって」
エリカ「いえいえ、お行儀の悪い殿方は嫌いじゃありませんわ」クスクス
レッド「ホントに申し訳ない…」
エリカ「あら、もうこんな時間ですわ」
エリカ「それではお風呂の用意を致しますね」
エリカ「何か御用がございましたら、隣がわたくしの部屋となっておりますので」
エリカ「いつでもお呼びください」
レッド「ありがとう、何から何まで」
エリカ「それでは、ごゆっくり」
レッド「ふう…、明日からジムトレーナーか」
レッド「何だか久しぶりに働くような気がするな」
レッド「まぁ、ずっとシロガネ山に居たんだから当然か」
レッド(寒くないし、このままここで働くのも悪くないかな…)
エリカ「レッド様?」コンコン
レッド「は、はい。どうぞ」
エリカ「失礼いたします、レッド様。お風呂の用意が出来ましたので、どうぞ」
レッド「それじゃあ、さっそく入ろうかな」
エリカ「はい。洗濯する物は適当に置いて頂ければよろしいですからね」
レッド「ありがとう」
レッド「…何て広さなんだ」
レッド「シロガネ山にある温泉並みに広いぞ」
レッド「露天まで付いてる」
レッド「…やっぱり、エリカってお嬢様なんだなぁ」ザバァ
レッド「ふうぅー、さっぱりするー」
エリカ「レッド様、失礼しますね」ガラララ
レッド「ぶっっ!? エリカ!? どうして…!?」
エリカ「お背中を流させて頂こうと思いまして」
エリカ「…ご迷惑だったでしょうか?」
レッド「い、いやいや。迷惑ではないけど…」
レッド(タオル一枚の女の子が近くに来るのはヤバいって!!)
エリカ(でも、そんなレッド様も素敵ですわ)
エリカ「それでは、こちらにお座りください」
レッド「えと、よろしくお願いします…」
エリカ「はい!」
エリカ「~♪」ゴシゴシ
レッド「」
エリカ「~♪」ゴシゴシ
レッド「」
エリカ「レッド様、どこか痒いところはありませんか?」
レッド「だ、大丈夫だよ、エリカ」
レッド(め、めちゃめちゃ気持ちいい…)ポヘー
レッド「え、エリカは、恥ずかしくないの?」
エリカ「そ、それは…」カァァ
エリカ「恥ずかしいですけど、レッド様の為なら大丈夫です」ニコッ
レッド「ぶっ…!?」ダラダラ
レッド(可愛すぎる…。は、鼻血が…)アセアセ
エリカ「まぁ!? レッド様、顔から血が!?」
レッド「大丈夫、大丈夫。ちょっとのぼせたみたいで…」ドクドク
レッド(止まれ―止まれー)
レッド「よしっ、それじゃあ。背中お願いしようかな」ザバァ
レッド「もう大丈夫だよ、ありがとう。今度は俺がエリカにするから…」
エリカ「へっ…?」
レッド「さあ、座って」
エリカ「いえいえ、そんな…!?」
エリカ(レッド様がわたくしの背中を…?)
エリカ「!?」ボッ
レッド(エリカが動かなくなっちゃった…)
レッド「おーい、エリカ?」
エリカ「…はっ!」
エリカ「そ、それでは、レッド様。よろしくお願いいたします」イソイソ
レッド「う、うん」
レッド(何か急に緊張してきた…)カァァ
レッド「じゃあ…」ゴシゴシ
エリカ(まぁ、レッド様お上手です)
レッド(エリカの背中綺麗だなぁ…)ゴシゴシ
エリカ(ちょっと力強いですけど、気持ちいいですわ…)ポヘー
レッド(ヤバい、また鼻血出そう! 心頭滅却! 煩悩退散!)ゴシゴシ
エリカ「ありがとうございます、レッド様。もう充分ですわ」
レッド「えっ…。そっか」
レッド(ちょっと残念…)
エリカ「それでは、浸かりましょうか?」
レッド「うん。それにしても、お風呂広いね」
レッド「こんなに広いと掃除とか大変だろう?」
エリカ「ふふっ、普段はわたくしがジムに居る間に使用人の方がお世話してくださるんですわ」
レッド「あれっ? でも使用人の人とか屋敷に居たっけ?」
エリカ「きょ、今日は皆さんお休みでして…」
エリカ(二人っきりになる為に今日は帰らせたのは秘密です)フフッ
レッド「」フゥー
エリカ「~♪」
レッド「そろそろ、上がろうかな」
レッド(また鼻血出たら申し訳ないし…)
エリカ「そうですか。寝巻をご用意させていただきましたが、サイズが合わなければ遠慮なくおっしゃってください」
レッド「ありがとう、エリカ。それじゃ、お先に…」ザバァ
エリカ(レッド様、素晴らしいお体ですわ…)ポッ
レッド「ふぅー、さっぱりした」フキフキ
レッド「寝巻もジャストサイズだし」
エリカ「レッド様?」コンコン
レッド「はーい、どうぞ」
エリカ「御夕飯の用意が出来ましたので、よろしければどうぞ」
レッド「ありがとう、今行くよ」
レッド「う、うまい!!」
レッド「こんなに美味しい料理初めて食べたよ!」
エリカ「うふふっ、いっぱいありますからね」
レッド「うん! おかわり!」
エリカ「はいはい♪」
エリカ(小さい頃からお料理を学んできて良かったですわー)ルンルン
レッド(タマムシ最高だなぁ)ムシャムシャ
レッド「ごちそうさまでした!」
エリカ「満足して頂けたようで、わたくしも嬉しいですわ」
エリカ「それでは、明日は朝も早いので今日は早めに寝ましょうね?」
レッド「うん。それじゃ、おやすみ」
エリカ「はい、おやすみなさい」
レッド「あれっ、もう布団が敷いてある」
レッド「それにしても、布団で寝るなんて久しぶりだ」
レッド(いろいろあったから、今日はぐっすり寝れそうだな)
レッド「…ふわぁ」
レッド「…zzz」
エリカ「うふっ、可愛い寝顔ですわ」
エリカ「おやすみなさい、レッド様」チュ
レッド「ふわぁ、朝か…」
レッド「さーて、初出勤だ」
レッド「フシギバナ。頑張ろうぜ!」
フシギバナ「バァナ!!」
エリカ「おはようございます、レッド様」
レッド「おはよう、エリカ」
エリカ「朝食の用意が出来てますので、よろしければどうぞ」
レッド「ありがとう」
レッド(やったー! またエリカのご飯食べられる!)
レッド「さてと、腹ごなしも済んだし。トレーナーとして働きますか」
レッド「とは言ったものの、暇だな…」
レッド「あんまり挑戦者って来ないものなんだね、エリカ」
エリカ「ふふっ、そうなんですよ」
エリカ「一日で6人も来られれば多い方ですわ」
レッド「へぇー、そんなもんなのかぁ」
挑戦者「たのもーう!」
レッド「うわっ!? びっくりした!」ドキドキ
エリカ「あらあら、誰かいらっしゃったようですわね」
エリカ「元気なお方ですわね」
エリカ「でも、まだトレーナーの方が残っていますわよ?」
挑戦者「えっ、そちらの赤い人もトレーナーですか?」
レッド「まぁ、そゆことになるかな」
挑戦者「タマムシジムで初めて男を見た。何にせよ、そういうことなら勝負だ!」
レッド「よぉし! 行け、フシギバナ!」
挑戦者「ま、マジかよ…」
挑戦者「フシギバナ一匹で6乙された…」
挑戦者「有り得ない!」メノマエガマックラニナッタ…
レッド「炎タイプ6匹で来るなんて、なんて偏った奴だ」
レッド「そんなんじゃ、俺のフシギバナには勝てないぜ!」
フシギバナ「バァナ!!」
エリカ(…わたくしが戦ったら、負けてましたわ)
エリカ(レッド様が無双なさるから、暇です…)
エリカ「それにしても、レッド様。相変わらずお強いですわ」
レッド「フシギバナ、ソーラービームだ!」
フシギバナ「バァナ!!」
挑戦者「きゃああぁぁ!!」メノマエガマックラニナッタ…
レッド「これで三人目か…」
レッド「やっぱり、強いな! フシギバナは」ナデナデ
フシギバナ「バァナ♪」
エリカ「」スヤスヤ
レッド「エリカ、寝ちゃってるよ」
レッド(うわっ、寝顔も可愛いな…)デレデレ
レッド「隣、行ってもいいかな?」イソイソ
レッド「くわぁ…、何だか俺も眠くなってきたな」
エリカ(いけない、すっかり寝てしまいましたわ)
エリカ「って、レッド様…!?」
エリカ(どうして、わたくしの隣で眠っていらっしゃるんでしょう)ドキドキ
レッド「…zzz」
エリカ「ふふっ、可愛らしい寝顔」
エリカ「起きちゃダメですよー」
エリカ「…」チュ
レッド「…zzz」
エリカ「もう夕方ですよ?」
レッド「…んっ。…zzz」
エリカ「早く起きませんと、もう一回しますわよー?」ユサユサ
レッド「…ん、エリカ?」
エリカ「レッド様、起きてください。もうジムも閉めてしまいましたわ」
レッド「えっ? もうそんな時間?」ムクッ
エリカ「えぇ。屋敷の方に戻りましょう」
レッド「はーい」
エリカ「レッド様、先にお風呂になさいますか? それともご飯に?」
レッド「そうだなぁ? …って、あ」グゥゥ
レッド「あはは…」カァァ
エリカ「ふふふっ、それでは先にお食事にいたしますわね」
レッド「面目ない…」
エリカ「いえいえ、すぐ用意いたしますから、お部屋でお待ち下さいね」
レッド「相変わらずおいしいなぁ、エリカのご飯!」
エリカ「今日はレッド様がよく働いてくださったので、腕によりをかけて作らせて頂きました」
レッド「…半分以上寝てたけどね」
エリカ「でも、挑戦者の方は全員レッド様が倒してしまいましたわ」クスクス
レッド「やっぱり、全員倒したのはまずかったかな?」
エリカ「いえいえ、大丈夫ですわ」
エリカ「それに、レッド様がバトルされる姿は、凛々しくて素晴らしかったです」
レッド「そ、そうかな?」
エリカ「はい♪」ニッコリ
レッド「ありがとう、よし! 明日も頑張るぞ!」
レッド「ふい~、久しぶりにするポケモンバトルは楽しかったなぁ」ザバァ
レッド「やっぱり俺にはポケモンしかないんだ」
レッド(もうゲームコーナーに行くのはやめよう…)
エリカ「レッド様、失礼いたします」ガラララ
レッド「って…!? エリカ…!?」
レッド(忘れてた…。昨日もエリカと一緒に入ったんじゃないか…)
レッド(って、これから毎日エリカと一緒にお風呂に入るのかっ?)カァァ
エリカ「今日もお背中を流させていただきますね」
エリカ「はい、昨日のようにこちらに…」
レッド「え、えと、お願いします…」
エリカ「はい!」
エリカ「~♪」ゴシゴシ
レッド「」
エリカ「~♪」ゴシゴシ
レッド「」ポヘー
エリカ(ふふっ、今日も一日お疲れさまでした)
レッド「エリカと毎日お風呂に入るって…」
レッド「よく考えたら、いや、よく考えなくても」
レッド「めちゃめちゃヤバいんじゃないのか?」
レッド(果たして俺は、この生活で理性を保てるのか…?)
エリカ「レッド様?」コンコン
レッド「あっ…!? はーい、どうぞ」
エリカ「失礼します、寝具の準備をさせていただきますね」
レッド「ありがとう。でも、昼寝をし過ぎたせいか、全然眠くないんだ…」
エリカ「あらあら、レッド様もですか?」
レッド「も、ってことは?」
エリカ「実はわたくしもなんですの…///」
レッド「ははっ、じゃあ少し話でもどうかな?」
エリカ「はい」ニコリ
エリカ「まぁ、そのようなことが…」
レッド「…ふわぁ、もうこんな時間かぁ」
エリカ「ふふふっ、すっかり話に夢中になってしまいましたね」
レッド「エリカの話は何でも勉強になるから、ついね」
エリカ「そうでしょうか? そう言っていただけると嬉しいです」フフッ
レッド「でも、さすがに眠たくなってきちゃったよ…」
レッド「えと、…これは、その」
エリカ「どうぞ、膝枕です」ニコリ
レッド「マジですか」
エリカ「ええ、遠慮なさらずに」
レッド「そ、それじゃ、お邪魔します」イソイソ
エリカ「ふふっ、のんびりされてください」ナデナデ
レッド(エリカの太もも、柔らかい…)
レッド(スゴイ…、癖になっちゃいそう)
エリカ(可愛いわぁ、レッド様)ナデナデ
エリカ「わたくしのことはお気になさらず、眠られて構いませんわ」ナデナデ
レッド「そう言われても、こんなの初めてだから…」
レッド(緊張する…)ドキドキ
エリカ「どうやら、眠気がなくなってしまわれたみたいですね?」ナデナデ
レッド「う、うん」
エリカ「明日に響いてもいけませんし、ここはラフレシアにお願いしましょう」ボンッ
レッド「…ラフレシア?」
エリカ「ええ。ラフレシア、眠り粉です」
ラフレシア「~♪」サラサラ
レッド「…zzz」
エリカ「ありがとう。ラフレシア」
エリカ「ずっと、こうしていたい…」ナデナデ
レッド「…zzz」
エリカ(とは言え、一晩中膝枕はさすがに辛いですわ)
エリカ(レッド様に余計な心配をかけたくありませんし…)
エリカ「よいしょっと…」スッ
エリカ「枕でごめんなさい、レッド様」
エリカ「その代わり…」モゾモゾ
エリカ「~♪」ギュー
レッド「…zzz」
エリカ「」スヤスヤ
使用人1「こ、これは…」
使用人2「あの、エリカ様が…」
使用人3「男と寝ている、だ、と…」
レッド(昨日はあのまんま寝ちゃったみたいだ)
レッド(エリカに膝枕されたまま…)
レッド「やっべ、めっちゃ恥ずかしいな…」
エリカ「何が恥ずかしいのですか? レッド様」クスクス
レッド「え…? いやいや、こっちの話だよ」
レッド(…エリカの顔、まともに見れないよ)
エリカ(ふふふっ、可愛らしい反応ですわぁ)ニコニコ
挑戦者「たのもー」
レッド(ナイスタイミング!)
レッド「よーし、バトルだ! 行け、フシギバナ!」
挑戦者「行け、ベトベトン」
レッド「何だか、今日は挑戦者が多いなぁ…」
レッド「午前中だけで、もう5人も来てる」
エリカ「恐らくそれは、レッド様が無敗だからですわ」
レッド「えっ…? どうゆうこと?」
エリカ「ジム戦に勝たなければ、バッジは手に入らないのですから」
エリカ「勝てるまで、皆さん挑戦され続けますわ」
エリカ「ですから、昨日敗れた挑戦者の方も本日来られている場合もありますから…」
レッド「つ、つまり、みんな俺のせいでタマムシに足止めされてるってことかな?」
レッド「じゃあやっぱり、俺がジムのトレーナーっていうのはまずいんじゃないのかな?」
エリカ「しかし、レッド様のお仕置きということで、トレーナーをしていただいていますので…」
エリカ「今さら辞めるというわけにはいきませんわ?」クスクス
レッド(そ、それは、エリカのさじ加減だと思うけど…)
挑戦者「たのもーう!」
レッド「あっ、昨日の子だ」
挑戦者「赤の人! 今日こそは負けません!!」
挑戦者「正々堂々勝負ですっ!!」
レッド「よーし! 行けっ、フシギバナ!」
挑戦者「くぅぅ…、もう少しだったのに…」メノマエガマックラニナッタ…
レッド「危ないところだった、よく頑張ったな! フシギバナ!」
フシギバナ「バァナ!!」
エリカ(もはや、四天王クラスのバトルですわ…)
エリカ(わたくしも楽ですし、もうしばらくレッド様に頑張っていただきましょう)クスクス
レッド「ふぅー、今日もよく働いた!」
レッド「労働の後のお風呂とご飯は最高だし…」
レッド(何て言うか、この生活にもすっかり慣れちゃったな)
エリカ「レッド様?」コンコン
レッド「開いてるよ、エリカ」
エリカ「失礼いたします。レッド様、お願いがございまして…」
レッド「?」
エリカ「もし、よろしければ今日も、その、御一緒に…」カァァ
レッド「えっ…? へっ…?」
エリカ「だ、ダメでしょうか…?」ションボリ
レッド「えっ…!? い、いや、全然いいよ!」
レッド「い、一緒に寝ようか…?」カァァ
エリカ「…はい!」ニッコリ
エリカ「それでは、どうぞ」サッ
レッド「こ、これは、…膝枕?」
エリカ「ええ、どうぞ遠慮なさらず」
エリカ(ふふっ。またレッド様と寝られるなんて、天国ですわ)ナデナデ
レッド「でも、昨日はこのまま寝ちゃったから、エリカ辛くなかった?」
エリカ「いえ、レッド様の寝顔を拝見させていただいていましたから…」ナデナデ
レッド「そ、そっか。いびきとか大丈夫だったかな?」
エリカ「はい。とても静かに眠っておられましたわ」ナデナデ
レッド「エリカが嫌じゃなかったんなら、よかった」
レッド(…気持ちいいなぁ、なんだか考えるのが面倒になってきた)
レッド「…ふわぁ、ごめん。今日はバトルが多くて、昼寝もしなかったから」
エリカ「いえいえ、お気になさらず。ゆっくり休んでください」
レッド「…zzz」
エリカ「まぁ、よっぽど疲れていらしたんでしょうね」
エリカ「それでは、わたくしも失礼しまして…」モゾモゾ
エリカ「ふふっ、お休みなさい。レッド様」ギュー
エリカ(こうして二人で生活ができるのもいつまででしょうか?)
エリカ「できれば、これからも、ずっと、一緒に…」ウトウト
エリカ「」スヤスヤ
使用人1「ま・さ・か・の…」
使用人2「二日連続ベッドイン」
使用人3「タマムシジムも安泰ですね」
レッド「…zzz」
エリカ「」スヤスヤ
ハナダジム
カスミ「久しぶりの休みだし、ちょっと遠出してデパートにでも買い物に行こうかな」
カスミ「ついでに、エリカのところでちょっと遊んでこよう♪」
ヤマブキジム
ナツメ「…最近、エリカから連絡がない」
ナツメ「何故かジム戦もめっきり減ったし、暇だからエリカのところに遊びに行ってみようかしら」
レッド「…ふわぁ」
レッド「昨日はジムが休みだったから、つい夜更かししちゃったな」
エリカ「」スヤスヤ
レッド(エリカ、まだ寝てる…)
レッド(綺麗な髪だな)ナデナデ
エリカ「…おはよう、ございます」
レッド「あっ、ごめん。起しちゃった?」
エリカ「いえ、起きなければいけない時間でしたし…」
エリカ「レッド様に髪を撫ぜていただけましたから…///」
レッド「…///」
レッド「…こ、これはさすがにまずいんじゃないのかな? エリカ?」アセアセ
エリカ「ま、まさか…!? こんなことになるとは…」アセアセ
挑戦者達「」ゾロゾロ
レッド「ジムの休みが明けたら、朝早くからこんな大行列が…」
エリカ「ジムに入りきらなくて、デパートまで列が伸びてますわ」
レッド「これ、全員挑戦者なのか…?」
エリカ「は、はい。恐らくは…」
レッド「き、君は!? 一番最初に来た炎タイプしか持ってない子?」
挑戦者「覚えていただけて光栄です。元チャンピオンのレッドさん!」
レッド「へっ!? 俺のこと知ってるの?」
挑戦者「実は何度も負けて悔しかったので、あなたのことを調べさせていただきました!」
挑戦者「かつてロケット団をたった一人で壊滅させ、驚くべきスピードでチャンピオンへと昇り詰めた男!」
挑戦者「そんなレッドさんがタマムシジムに居ると話したら、こんなことになってしまいました!」
挑戦者「すみません、レッドさん!!」
挑戦者「よし! 謝ったし、早速バトルお願いします!!」
レッド「い、いや、ちょっと待って!」
レッド「え、エリカ? どうする? これ全部相手にするのか?」ヒソヒソ
エリカ「ジムのルールとしては、挑戦者を拒んではならないことにとなっていますので…」ヒソヒソ
レッド「じゃ、じゃあ、全員と戦うの…?」
エリカ「…」コクリ
レッド(ま、マジかよー…!?)アセアセ
ナツメ「エリカ。貴女にしては軽率な行動だったようね」
レッド「カスミ…!? それにナツメも…!?」
カスミ「久しぶりね、レッド♪」
ナツメ「…久しぶり、レッド」
エリカ「あらっ、お二人ともどうしてこちらに…?」
カスミ・ナツメ「…暇だったから?」
レッド(ジムリーダーって何なんだ…)ハハッ
レッド「こんな数の挑戦者、相手にしきれないよ、なんとかならないかな?」
カスミ「…しょうがないわねー、貸し一つだから!」
ナツメ「どうしてこんなことになったのか、詳しい話は後で聞かせてもらうわよ?」
カスミ「とりあえずは何とかしてあげるから、レッド、あんたはどっか隠れてなさい」
レッド「お、おう!」
レッド(と、とりあえずエリカの後ろに…)サッ
挑戦者達「」ザワザワ
ナツメ「元チャンピオンのレッドとこちらで戦えると聞いてきた挑戦者はただちに帰りなさい」
カスミ「その噂はガセネタでーす」
ナツメ「レインボーバッチをかけたジム戦が行いたい者だけ残りなさい」
挑戦者達「…?レッドトタタカエルンジャナイノカ…?」ザワザワ
レッド(げっ…!? 半分以上が帰ってる…)
エリカ(どうやら、皆さんレッド様がお目当てだったようですね)
レッド「で、でも、エリカ。残りの人達とは戦わないといけないよね?」ヒソヒソ
エリカ「そ、そうなりますわね。でも、これ以上レッド様が戦われると…」ヒソヒソ
レッド・エリカ「!」
ナツメ「残った挑戦者達の相手は、正規のジムリーダーであるエリカが相手をなさい」
エリカ「こ、こんなたくさんの方達と…?」アセアセ
カスミ「とにかく、全員と戦い終わるまで」
ナツメ「今日はジムを閉めてはならないから」
エリカ「そ、そんなぁ…。殺生ですわ」
カスミ「私達に連絡もしないで、どうしてタマムシに居るのかもね」ニコリ
レッド「は、ははっ…」
レッド(笑ってるのに、二人とも怖い…)
エリカ(れ、レッド様ぁ…)ウルウル
レッド(ご、ごめんよ。エリカ…)
カスミ「さてと…」
ナツメ「さぁ、話してもらおうかしら?」
レッド「は、話すって、一体何を?」アセアセ
カスミ「とぼけないで」
ナツメ「大体の話は、この屋敷の使用人と挑戦者の人から聞かせてもらったわ」
カスミ「あんたが急にエリカの屋敷に住みだして」
ナツメ「タマムシジムのトレーナーとして働きだしたってこと」
レッド(どうりで、スムーズに話が進むわけだ…)
ナツメ「どうして、貴方がここに居るのかってことよ」
レッド「そ、それは…」
レッド(どうしよう、正直に話すべきか…?)
レッド(正直に話した場合、間違いなく二人にめちゃめちゃ怒られる)
レッド(でも、ウソから始まったもめ事でもあるから、これ以上ウソを重ねるわけにはいかないし…)
レッド「わ、分かった。正直に話すよ…」
レッド「じ、実は、かくかくしかじかであって…」
レッド「っと、いうわけなんだ」
カスミ「…ふーん、つまりあんたは、ゲームコーナーで所持金を無くして」
ナツメ「…この屋敷でエリカに迷惑をかけて」
カスミ「一週間もエリカと同棲して」
ナツメ「毎日、ジムトレーナーとして働いていた、と」
レッド「まぁ、そうゆうことになるかな…」
カスミ「全く、呆れた男ね」
ナツメ「…そうね、ダメ男にも程があるわ」
レッド「うっ…、面目ない」
ナツメ「…確かに」
レッド「…え?」
カスミ「あたし達だって、心配してたんだからね」
ナツメ「…」コクリ
レッド「ご、ごめん」ジョンボリ
カスミ「まぁ、あんたが無事だって分かっただけでも良しとしといてあげるわ」
ナツメ「…」コクリ
レッド「あ、ありがとう」ニッコリ
カスミ・ナツメ「…///」
レッド「えっ…? これからって?」
ナツメ「このままエリカの屋敷に居候するつもり?」
カスミ「このジムで挑戦者倒しまくったんだから、所持金0なわけないでしょ?」
レッド「い、いや。ジムで稼いだお金は、迷惑料としてエリカに渡してるんだ…」
カスミ「…全額?」
レッド「う、うん…」
カスミ「じゃあ、あんた、いまだに所持金0なの?」
レッド「うん…」
ナツメ「…呆れたわね、まぁ、貴方らしいといえば貴方らしいけども」
レッド「え?」
カスミ「他に行くところも無いんでしょ?」
カスミ「あたしはトレーナーとして働けなんて言わないわよ?」
ナツメ「ヤマブキジムも部屋が空いてるわ」
ナツメ「貴方さえよければ、エスパーの訓練でもどうかしら?」
レッド「へっ…?いやいや」
エリカ「だ、ダメですー!!」ガラッ
エリカ「えぇ…、レッド様への対策を万全にされて来られた方達でしたので…」
エリカ「全く歯が立ちませんでしたわ…」ガクッ
エリカ「…そ、そんなことより、レッド様!!」
レッド「は、はい!」
エリカ「タマムシジムを出てはなりません!」
カスミ「あら、どうしてー?」
ナツメ「もうレッドは充分タマムシジムのために働いたと思うけど?」
エリカ・カスミ・ナツメ「ペチャクチャワイワイガヤガヤ」
レッド「3人とも、落ち着いて…」
エリカ・カスミ・ナツメ『「レッド様」「あんた」「貴方」は黙ってて!』
レッド「…」ショボン
カスミ「…いや! ちょっと待って」
ナツメ「何かしら?」
エリカ「?」
ナツメ「…なるほど」
エリカ「レッド様に…?」
カスミ「そう。レッドにどのジムに行きたいのか言ってもらう」
ナツメ「確かに、私たちが不毛に言い争うよりは良いかもね」
エリカ「そ、それでは、レッド様…」
レッド(急に修羅場と化してしまった。何だコレ?)
レッド(ハナダかタマムシかヤマブキ…、どれかを選ばないといけない)
レッド(そりゃ、答えは決まってるけど…)
レッド(なんて言いづらい…)
レッド(でも、たまには元チャンピオンとして、勇気を出さなきゃ!)
レッド(なし崩し的に一緒になるのは、お互いの為にならないもんな!)
レッド「そ、その。二人には申し訳ないけど…」
レッド「俺は、タマムシに残るよ」
レッド「エリカと、一緒に居たいんだ」
エリカ「レッド様…!!!」
カスミ「…ちぇーっ。まぁ、そうなるかなとも思ったけど」
ナツメ「いざ目の前で言われると、意外と精神的にくるわね」
カスミ「いーえ、これ以上お二人の邪魔しちゃ悪いし帰ろーっと」
ナツメ「私も、誰かさんが足止めしてた挑戦者達が大量に来そうだから帰らしてもらうわ」
レッド「…また、顔出しに行くから」
カスミ「喧嘩でもしたら来なさいよー、慰めてあげるから」
ナツメ「私の力が必要になったら、いつでも来なさい」
エリカ「…お二人とも、ありがとうございました」
カスミ「あたしも早いとこ良い人見つけよ―」
ナツメ「…さようなら」
レッド「そ、その、エリカ…?」
エリカ「レッド様…!」ギュ
レッド「うわっ、ととっ…!」
エリカ「ありがとうございます! わたくしを選んでいただいて」
エリカ「本当に、本当に嬉しいです…!」
レッド「…エリカはホントに、俺なんかでいいのかな?」
エリカ「はいっ!」ギュー
レッド「そ、その、聞いてほしいことがあるんだ…」
エリカ「…はい、聞かせて下さい」
レッド「エリカ、…好きだ」ギュ
エリカ「…わたくしも、愛しています」ギュー
レッド「その、俺の不詳事から始まった同棲だったけど」
レッド「これからは、俺の意思で一緒に居たいんだ」ギュ
レッド「…だから、これからもタマムシジムに居てもいいかな?」
エリカ「はい…! お慕い申しております、レッド様」
エリカ「これからも、どうか御一緒させてください!」
おわり
休日(カスミとナツメがジムに来る一日前)
レッド「朝か…」
レッド「今日はジムも休みだし、特にすることがないなぁ」
エリカ「」スヤスヤ
レッド「エリカ…、まだ寝てるのか」
レッド「起こすのも申し訳ないし、一人で時間を潰そう」ゴソゴソ
レッド「そういえば、最近デパート行ってないな」
レッド「せっかくだし、エーフィを連れてデパートに行ってみよう」
レッド「おいで、エーフィ」
エーフィ「~♪」スリスリ
レッド「へぇ~、しばらく来てなかっただけで、ずいぶん変わってるなぁ」
レッド「こんなにいろんなもの売ってるなんて」
レッド(所持金0だから何にも買えないけど…)
エーフィ「~♪」スタスタ
レッド「あっ!? どこに行くんだよ? エーフィ!」
レッド「確かこっちの方に…」キョロキョロ
店員「きゃー! このエーフィ可愛いー!」
エーフィ「~♪」スリスリ
店員「なんてもふもふした子なのかしら」デレデレ
レッド「あんなところに…」
レッド「おーい、エーフィ!」
エーフィ「~♪」スリスリ
店員「いえいえ、全然いいのよ。あなたのエーフィ?」
レッド「はい。このタマムシで手に入れたイーブイから進化しまして」
店員「とっても人懐っこいのね、お姉さん気に入っちゃった♪」
レッド「…はい?」
店員「その子と交換なら、今日新発売されたこの魅惑の香水を進呈しちゃうわよ?」
レッド「いやいや…、エーフィは大事な仲間ですから…」
店員「もう5分だけエーフィちゃんをもふもふさせてくれたら、無料で香水をプレゼントしちゃうわよ?」
レッド「まぁ、そうゆうことなら。どうかな? エーフィ?」
エーフィ「~♪」コクリ
レッド「エーフィもいいそうですので、どうぞ」
店員「やったぁ! それじゃ、早速…」
モフモフモフモフモフモフモフモフ…
店員「はい、じゃあ約束の香水ね!」
店員「女の子用だから、君の大切な人にでもあげてね♪」フフッ
レッド「ど、どうも…」
レッド「何か、香水も手に入ったし、帰ろうか? エーフィ?」
エーフィ「~♪」コクリ
レッド「ただいまー」
エーフィ「~♪」
エリカ「お帰りなさいませ、レッド様」
レッド「おはよう、エリカ。起きたんだね」
エリカ「ふふっ、せっかくのお休みですから、寝てばかりいられませんわ」
エリカ「それに、レッド様が出かけられたので、寂しくて起きてしまいました…///」
エリカ「…これは?」
レッド「その、朝起きてから暇だったんで、デパートに行ってきたんだ」
レッド「そこで、新しい香水を貰ったんだけどエリカにどうかなって思って…」
レッド「迷惑かけてるし、お詫びといったら何だけど、よかったら使ってみて?」
エリカ「まぁ、わたくしに…? ありがとうございます。レッド様」
エリカ「嬉しいですわ。大切に使わせていただきますね///」ニコリ
レッド「喜んでもらえたみたいで、俺も嬉しいよ///」
使用人1(一体何だ、このバカップルは…?)
レッド「…暇だなぁ」
レッド「結局、休みなのに何するかも決めてないや」
レッド「エリカを誘ってどこかでかけようかなぁ…」ボンヤリ
エリカ「レッド様?」コンコン
レッド「どうぞー」
エリカ「レッド様。今日はジムもお休みですが、何かご予定はありますか?」
レッド「予定? 特に決めてないけど…」
エリカ「それでは、今から弓道の鍛錬を行うのですが、御一緒にどうでしょうか?」
レッド「弓道かぁ。おもしろそうだし、挑戦してみようかな」
エリカ「よいですか、レッド様。弓道は的に当てさえすれば良いというものではありません」
エリカ「集中して、的と向き合うことで精神的にも成長することが大切なのです」
レッド(エリカの袴姿可愛いなぁ…)デレデレ
エリカ「…レッド様。聞いていらっしゃいますか?」
レッド「えっ…!? あ、ああ、ごめん。聞いてなかったや…」
エリカ「全く。集中されませんと、怪我をされてしまいますわよ?」
レッド「ごめん、ごめん。次からはちゃんと聞くよ」
エリカ「弦を引く手は背筋を使いながら、耳の後ろに持ってきます」
エリカ「この姿勢を、しばらく保ち…、弦をこするように離します」
エリカ「そうすれば、このように」シュ
レッド「おおー…! 凄い、一発で当てちゃった」
エリカ「ふふっ、練習なさればレッド様もできますわ」
レッド「そ、そうかな? 思った以上に難しそうなんだけど」
エリカ「見るのと、やるのでは違いますわ。それに、わたくしが付きっきりでお教えしますから」ニコリ
レッド「よしっ! とりあえずはとにかく挑戦だ!」
レッド(き、きっつ…)
エリカ「それでは、弦を離されてもよろしいですよ」
レッド「…!」ヒョロヒョロ
レッド「…くそー、全然ダメだ」
エリカ「仕方がありませんわ、レッド様。初めから上手な方などおりませんから」
レッド「エリカはいつ頃から弓道始めたの?」
エリカ「そうですわね…。物心着いたころには始めておりましたわ」
レッド「そんな昔からしてないと、やっぱり上手にならないんだなぁ…」
エリカ「…ポケモンなら負けない? ですか?」クスクス
レッド「…!?」
レッド「…考えてることまでばれちゃうなんて、エリカはやっぱり凄いね」
エリカ「ふふっ、レッド様の表情はとても素直でいらっしゃいますから」クスクス
エリカ「あらっ、もうこんな時間ですわ。お昼に致しましょう」
レッド「うん、そうだね」
レッド「…エリカ、また、休みになったら弓道教えてくれないかな?」
エリカ「はい。御一緒に練習致しましょうね」ニコリ
エリカ「今日は新鮮なお魚が買えましたので、お刺身です」
レッド「うわっ…、凄い。お頭つきの刺身なんて初めて食べるよ」
エリカ「お好きなだけ食べてください♪」
レッド「ありがとう、エリカ。いただきまーす」
エリカ「…レッド様。午後からのご予定は?」
レッド「え? 俺は午後も特に予定は無いけど…」
エリカ「そうですか、ありがとうございます♪」
エリカ「丁度、あの子達を連れて日光浴の散歩に行こうと思っていまして」
エリカ「お付き合い願えますか?」
レッド「うん。俺もみんなを連れて行ってあげよう」
エリカ「こうして殿方と二人で出かけるのは初めてですわ」ワクワク
レッド「俺は、カスミとかなら一緒に冒険したこともあるかな…」
エリカ「……それでは経験豊富なレッド様に、エスコートしていただいてもよろしいでしょうか?」ニコリ
レッド「う、うん」
レッド(エリカ、ちょっと怒ってる?)アセアセ
レッド「で、でも、エスコートってどうすれば?」
レッド「こ、こうかな?」
エリカ「はい♪」ギュ
レッド「わわっ…!? へっ…!? このまま歩くの?」
エリカ「当然です。女性をエスコートするのは初めてですか?」
レッド「う、うん。それは、初めてで…」
エリカ「それでは、なるべく歩幅を小さく、ゆっくり歩くように心がけてください」
エリカ「わたくしが転んだりしたら、背負っていただきますからね?」クスクス
レッド「…って、あれ?」
エリカ「はい? 何でしょうか?」
レッド「エリカ、この香りって…」
エリカ「ふふっ、お気づきになられましたか? レッド様にいただいた香水です」
レッド「やっぱり。凄く良い香りだね。エリカにぴったりだ」ニコリ
エリカ「…ありがとうございます///」
使用人2(こっちが恥ずかしいわ)
ミニスカート「ねぇ、見て。あれ、エリカ様じゃない?」
短パン小僧「へっ…?」
ミニスカート「ほら、あそこで男の子と腕を組んで歩いてるじゃない」
短パン小僧「バカ言うなよ。あのエリカ様が白昼堂々と男と並んで歩いてるわけないだろ?」
ミニスカート「だって、あそこで歩いてるし…」
短パン小僧「あんまりじろじろ見てたら襲われるぞ」
ミニスカート「…メタモンとあんなにいちゃいちゃしながら歩いたりするかしら?」
短パン小僧「そりゃ、見た目はエリカ様だからな」
短パン小僧「ほら、行くぞ。今日こそは、ポリゴンをゲットして見せる」
ミニスカート「またゲームコーナー行くの? もう止めときなさいよ」
短パン小僧「お前には分からないだろうな、あのコインがざっくざくと出てくる快感!」
エリカ「ここはわたくしのお気に入りの場所なんです」
エリカ「この子達を遊ばせるのに丁度よくて、とても綺麗でしょう?」
レッド「そうだね。広くて、空気がおいしいや」
レッド「よし、みんな出てこい!」ボボボボボボン
エリカ「さぁ、遊んでらっしゃい」ボボボボボン
レッド「たまには広い場所で、思いっきり遊ばせてあげないとね」
エリカ「はい。タマムシの庭では、ここまで日光を浴びれませんし」
エリカ「皆さん、とても楽しそうですわね」
レッド「シロガネ山じゃ、外で遊ぶなんて無理だったからね」
エリカ「…レッド様。お聞きしてもよろしいでしょうか?」
レッド「なに?」
エリカ「…その、どうしてシロガネ山に行かれたのでしょうか?」
レッド「…」
エリカ「もし、よろしければお聞かせ願えませんでしょうか?」
レッド「毎日、野生のポケモンと戦って戦ってを繰り返して」
レッド「たまに、トレーナーの人が来たりもしてたかな」
レッド「みんな、とっても強くなったよ」
レッド「バトルで負けるようなこともなくなったんだ…」
レッド「…でも、違ったよ。ポケモンが強くなるって、ただレベルが上がれば良いってもんじゃないんだ」
レッド「トレーナーとポケモンが心を通わせて戦うことが、一番の成長なんだ」
レッド「昔、色んな人に教わったはずなのに、こうして山から下りてこないと思いだせなかった…」
レッド「今は、山に登ったことも後悔してる」
エリカ「…そうでございましたか」
レッド「…うん。ごめんね、エリカにも、心配かけちゃったみたいで」
エリカ「いえ。もうお気になさらないでください」
エリカ「レッド様が、わたくしの知るレッド様のままで居てくださったと分かって、とても嬉しいです」
エリカ「…もう、遠くに行っちゃダメですよ?」
レッド「…うん、側にいるよ」
エリカ「…///」ギュ
レッド「…///」
レッド「そうだね。そろそろ帰ろうか?」
エリカ「はい。その…、レッド様」スッ
レッド「んっ…」ギュ
エリカ「夕陽が美しいですね…///」
レッド「…うん///」
短パン小僧「はぁ、今日もボロ負けだ…」
ミニスカート「だから、止めときなさいって言ったのに」
短パン小僧「くそー、またコイキングを500円で売りつけるバイトしないとなぁ」
ミニスカート「また、あの詐欺まがいのバイトするの…?」
短パン小僧「バカヤロー、あれは俺の叔父さんから教わった由緒正しい仕事なんだよ」
ミニスカート「あっ…!? 見て見て、あれエリカ様じゃない?」
短パン小僧「またかよ? どこ?」
短パン小僧「あのなぁ、エリカ様がこんな夕暮れ時に男と二人でいるわけないだろ?」
ミニスカート「今度は腕を組むんじゃなくて、恋人繋ぎしてるわ…!!」
短パン小僧「あれは、ドーブルが書いたエリカ様の絵を持ち歩いて恋人気分を味わってる危ない奴だよ」
短パン小僧「そんなに気になるなら話しかけてこいよ?」
ミニスカート「…うーん。お邪魔だったら申し訳ないし、いいや」
短パン小僧「…? なんで邪魔になるんだ?」
ミニスカート「もし本物だったら、どっからどう見てもデートでしょうが。このバーカ」
短パン小僧「…!? 短パンなめんなっ!!」
レッド「ただいまー」
エリカ「はい。おかえりなさい」
レッド「一緒に帰ってきたから、何か変な感じだね」
エリカ「ふふっ、そうですわね」
エリカ「それではレッド様、ご飯とお風呂、どちらになさいますか?」
レッド「今日は、外で遊んで汗もかいたし、先にお風呂にしようかな」
エリカ「分かりました。それでは、すぐに準備をいたしますね」
レッド「いつもありがとう、エリカ」
エリカ「いえいえ、ゆっくりなさってくださいね」
レッド「ふぅー、この大きい風呂にもすっかり慣れたなぁ」ザバァ
レッド「疲れが取れるー」
エリカ「レッド様、失礼します」ガラガラ
レッド「わっ…!? エリカ?」
レッド(お風呂には慣れても、エリカが入ってくるのには、全然慣れない…)アセアセ
エリカ「今日も、お背中流させていただきますね」
レッド「う、うん。お願いします…///」
レッド(冷静になれ、レッド)
エリカ「~♪」ゴシゴシ
レッド(マサラタウンのように、まっさらな気持ちで…)
エリカ「どこか、痒いところはございませんか?」ゴシゴシ
レッド「だ、大丈夫だよ。ありがとう、エリカ」
エリカ「はい♪」ゴシゴシ
レッド「…」
エリカ「~♪」ゴシゴシ
レッド「…そろそろ変わろうか?」
レッド「うん。それじゃ、どうぞ」
エリカ「はい…」イソイソ
レッド「どうかな? 痛くない?」ゴシゴシ
エリカ「はい、大丈夫です」
エリカ「とっても気持ちいいです…///」
レッド「――――!?」ブッ
エリカ「まぁ…!? レッド様、大丈夫ですか!?」
レッド「は、鼻血が…」ダラダラ
レッド「ご、ごめん。のぼせちゃったみたい」
エリカ「いけませんわ。何かで冷やさないと…」
エリカ「そ、そうおっしゃいましても…」オロオロ
レッド「ほ、ほら。もう止まったから」
エリカ(レッド様、血が出るまで我慢されてたなんて…)
エリカ「わたくしのせいで、ごめんなさい」
レッド「えっ…!?」
レッド「…へ?」
エリカ「無理なさらずに、言ってくだされば、わたくしも構いませんのに…///」
レッド「え、エリカ…」ドキドキ
エリカ「お風呂が暑いのを我慢されてたのですね」
エリカ「さぁ、今日はもう上がりましょう? これ以上は体によろしくありませんから」
レッド「」
レッド「ふぅ、お風呂に入ったのに全然さっぱりしてない」
レッド「むしろ、もやもやしちゃったよ」
レッド「…それにしても、お腹空いたなー」
エリカ「お待たせいたしました。レッド様」
エリカ「今日は和風ハンバーグです。お口に合うか分かりませんが…」
レッド「ありがとう、エリカ。凄いおいしそうだね」
レッド「いただきまーす!」
エリカ「…ど、どうでしょうか?」オズオズ
レッド「…!? おいしい! めちゃくちゃおいしいよ、エリカ!」
レッド「やっぱり、エリカは料理が上手だなぁ」ガツガツ
エリカ「まぁ、ありがとうございます…///」
エリカ「おかわりもたくさん用意してありますから、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいね」
レッド「うん! おかわり!」
レッド「…げぷ。食べすぎた」
レッド「もう何にも食べられないよ」ゴロゴロ
エリカ「レッド様?」コンコン
レッド「はーい?」
エリカ「まぁ、お食事が終わってすぐにそのように寝転がられては、お体に触りますわよ?」クスクス
レッド「それは、分かってるんだけど…。どうしてもね」
エリカ「それでは、いつも通りこちらにどうぞ?」スッ
レッド「…あ、ありがとう、エリカ」
レッド(しかも、お風呂上りでめちゃくちゃ艶っぽいし、良い香りまで漂ってきたよ)
レッド(や、やばい。顔が熱くなってきた…)
エリカ「レッド様? どうかなされましたか?」
レッド「い、いや。何でもないよ!?」
レッド(エリカに気付かれたら、気まず過ぎる…///)アセアセ
エリカ「ですが、少しお顔が赤い様に見えますが…」スッ
レッド「――――――!?」
エリカ「熱は無いようですね。けど、無理をなさってはいけませんよ?」ニコリ
レッド「え、エリカ!!」ガバッ
エリカ「きゃ…!?」ドサッ
エリカ「れ、レッド様? 何を…?」ドキドキ
エリカ(レッド様。つ、ついに、この時が…!?)
レッド「あっ…。ご、ごめん…!」サッ
レッド(我を忘れて、エリカを押し倒してしまった…)
レッド「ご、ごめん。エリカ」
レッド「俺、ジムを出るよ…!」ダッ
エリカ「そ、そんな…。お待ち下さい!」
レッド「…」
エリカ「レッド様。わたくし、今の事でしたら、気にしていませんわ」
エリカ「そ、その、むしろ嬉しかったというか…///」ゴニョゴニョ
レッド「でも、俺、このままじゃエリカに、申し訳なくて…」
レッド「…エリカ」
エリカ「わたくし、レッド様がチャンピオンを辞められたと聞いたとき」
エリカ「また、レッド様に会えるのではないかと秘かに期待しておりました」
エリカ「少しでもレッド様に近付けるようにと、鍛錬を重ねて待ちました」
エリカ「でも、レッド様は行方をくらまして、会うことは叶いませんでした」
エリカ「それでも、わたくしはレッド様を待ちました」
エリカ「…すみません。わたくしの独りよがりであることは分かってはいるのです」
エリカ「もう、レッド様が目の前から居なくなるのは、耐えられない…」
エリカ「どうか、お側に…」
エリカ「お願いいたします」ギュ
レッド「…ホントに良いの?」
エリカ「レッド様。何度もそう申し上げております」
レッド「…ごめん。もう、聞かないよ」
エリカ「はい」
エリカ「こちらこそ、ありがとうございます」
レッド「…その、乱暴にしてホントにごめんね」
エリカ「レッド様になら、構いません」
レッド「え、えと、じゃあ…」ギュ
レッド「寝ようか? エリカ…///」
エリカ「はい…///」ギュ
おわり
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